言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2006/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 映画『アラン』考――1930年代のアイルランド
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執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『紀要 桜美林英語英米文学研究』 |
巻・号・頁 | (46),13-23頁 |
概要 | A5判
1934年にダブリンで上演された映画Man of Aran はミシガン州出身のアイルランド系アメリカ人、Robert Flahertyが監督し、イギリスの映画会社が製作したアイルランド、アラン島を舞台とする長編ドキュメンタリーである。この作品は長いこと論争の的になってきた。一つにはドキュメンタリーという枠に収まりきらない性質をもつため、また一つには、当時アイルランドの政権を握っていたDe Valeraの理想とする禁欲的なロマンティシズムを具現したものとみなされるため、さらに、1930年代のヨーロッパを席巻したファシズムの影響が取り沙汰されることによる。本稿ではこの3点に注目し、その後のアイルランド映画によくも悪くも多大な影響を与えたといわれる映画『アラン』を再考した。特に1930年代のアイルランド社会状況については、自治権獲得後、新しい政府の上院議員となり、アイルランド自由国形成に少なからず関わった詩人W.B.Yeatsの政治姿勢を参考に考察した。 |
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