言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/10
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 地域在住高齢者における入浴直後と出浴直後の血圧及び脈拍変動
執筆形態 共著
掲載誌名 日本老年医学会雑誌
掲載区分国内
巻・号・頁 60(4),434-439頁
担当区分 最終著者,責任著者
著者・共著者 鈴木知明, 渡辺修一郎
概要 はじめに:高齢者の家及び居住施設の浴槽における死亡者数は,2017年以降はやや減少傾向にあるが,それでも4,900人(2019年)と交通事故死亡者数の2倍近い.目的:地域在住高齢者の入浴時における血圧と脈拍変動を調査し,ヒートショック状態がいつ起こるのかを判断する警戒範囲の検討を目的とした.方法:男性高齢者10名(72.6±3.4/67~78)を対象として,湯温41℃の浴槽に6分間の全身浴を実施し,収縮期血圧,拡張期血圧,脈拍(以下SBP,DBP,PRと略す)を測定した.結果:入浴前から入浴30秒後にかけてPRが15/分以上上昇した群のSBPは,入浴30秒後に約30 mmHg上昇した.また,同じくPRが15/分以上上昇した群は脈圧(以下PPと略す)が28 mmHg上昇し,ダブルプロダクト(以下DPと略す)は入浴前から入浴30秒後にかけて5,000 DP以上の異常上昇がみられた(p<0.05).考察:入浴前から入浴30秒後にかけて,PRが15/分以上上昇した群は入浴直後に脳出血,出浴直後にめまいや立ち眩み,転倒の可能性があると考えられる.PP,DPの分析からも,入浴30秒後に心臓への負担がかかり,十分な注意が必要と思われる.