言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2000/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 内なる女性 -イェイツとダイモン
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執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『桜美林英語英米文学研究紀要』 |
巻・号・頁 | (40),131-142頁 |
概要 | A5判
詩は自己との闘争から生まれると考えていたYeatsは、この内なる闘争相手を「他我」「反対我」「対立我」あるいは「第二の自我」「自分とはちがう何か」といった呼び方で呼んでいたが、あるときから「ダイモン」と呼び始める。ダイモンは古くは哲学者プラトン、プロティヌス、プルタークがそれぞれ「宇宙が半分に割れてしまうのを防ぐ結合機能をもつもので、現世界と精神世界のあいだを行き来する」「魂が運命を成就するのを助ける役目を担う」「一種の守護霊」と定義づけているが、Yeatsのダイモンはこれらすべて合わせたような存在、死後の世界と現世を結び、運命であり、同時に守護霊にもなる。さらに特徴的なのは、人間の行動に直接干渉し、ダイモン自身の意図を実現するために人間を利用する点である。そして、Yeatsの一大哲学書といわれるA Vision1925年版を読むと、人間とダイモンは性別化されている(=反対の性をもつ)。A Vision1937年版からはダイモンの性別化が隠蔽されている意味を探りつつ、A Vision1925年版(ダイモンの性別化)に基づいた詩の解釈を試みる。 |
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