概要 | 本研究では,教育実践において,受け手(オーディエンス)の視聴状況を考慮に入れた動画制作を行う教育実践に有用な知見を得ることを目的とする。その一例として,視聴状況を考慮した動画表現が求められる可能性が高いと考えられる,QRコードを読み取り視聴する動画の制作を行う教育実践を開発・実施し,1)QRコードを読み取り視聴する動画の表現とはどのようなものか,2)動画の制作を通して育成すべき能力はどのようなものであるか,という2点の検討を行う。本研究は,モバイル端末で動画を視聴する人が増える現在,動画を制作する教育実践において,重要な視点を付加する研究と考えられる。
本研究は,アクションリサーチ(佐藤ほか2005)の手法に基づく事例研究である。具体的には,1)QRコードを用いて視聴する動画を制作する教育実践を第一著者である補助教員が主指導教員と共に開発・実施し,2)実践の主指導を担当した教員へのインタビュー調査により,求められる動画の表現手法を明らかにし,3)明らかになった動画の表現手法をメディア・リテラシーの基本概念(バッキンガム,D.2002)と対応させることで教育実践で育成すべき力を明らかにする。 |