言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1997/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | どこにもいない男 -J.M.Syngeの言語
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執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『桜美林英語英米文学研究紀要』 |
巻・号・頁 | (37),165-187頁 |
概要 | A5判
J.M.Syngeが短い生涯において執筆した六篇の戯曲はすべて、一般にアイリッシュ・イングリッシュと呼ばれる英語から成り立っている。しかし、彼のアイリッシュ・イングリッシュは実際に人々が話していたものをそのまま写し取ったのではなく、むしろ意識的に造り出されたといわれる。英語を話す側からみても、アイルランド語を話す立場からしても、戸惑いを覚える言葉を用いることによって、シングはアイルランド文化に関わった点を賛美する人々には、より高い芸術性を求めようとする姿勢を非難され、逆に作品の芸術性を認めてくれる人たちには、アイリッシュ・イングリッシュを十分鑑賞してもらえなかった。そのような状況にあってなお、彼が独自の言葉を追求し続けた理由はどこにあるのか。本稿では、アイルランドにおける英語の歴史、アイルランド語およびアイリッシュ・イングリッシュの特徴、アイルランド語に対するシングの知識、シングが活躍した当時の国情などに触れながら、詩的といわれるシングの言葉がどのようなものであったか、彼はその言葉をなぜ使い、その措辞に何を託そうとしたのか考察した。 |
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