言語種別 日本語
発行・発表の年月 1996/08
形態種別 その他論文
標題 W.B.Yeatsと神話
執筆形態 単著
掲載誌名 『英語学・英語教育研究』
巻・号・頁 3,67-77頁
概要 A5判
W.B.Yeatsは若い頃から神話伝説に興味を示した。画家である父親の仕事の関係でイングランドからアイルランドへ移り住んだYeatsは、アイルランドの国家独立に貢献したいと願い、アイルランドの神話、民話などの古い伝統に新たな息吹を吹き込んで国民の文学的意識を目覚めさせるとともに、アイルランドが産み出してきた文学が他の欧米諸国に決して劣らない事実を世間に知らせようと試みた。最初はストーリーだけがアイルランド的でイギリス・ロマン派の伝統を受け継ぐ表面的なものに過ぎなかった。しかし、クーハラン伝説を通して次第に父子の葛藤というテーマに引かれ、ついにはギリシャ神話のオイディプス劇を上演用に翻訳し、生前わざわざ全戯曲集に収録している。オイディプスとライオスに象徴される父親像と息子像の戦いは、Yeats最晩年の戯曲Purgatoryにおいて熾烈を極める。本稿では、その父子のテーマが死と再生のドラマとして描かれるようになるまでを辿る。