概要 | 2011年に早稲田大学に提出した博士論文『京舞井上流の舞踊とその形成過程に関する研究』に加筆修正し、出版したものである。京舞井上流は京都祇園町に伝承される日本舞踊流派で、特色的な振付が注目され、文化財的意義も広く認められている。しかし、その成立に係る歴史は明らかにされたことがなく、本書では、井上流独特の伝承が江戸時代後期の関西の一般的な舞踊を反映している可能性について論じた。本書は、第35回サントリー学芸賞・日本演劇学会河竹賞奨励賞・第九回林屋辰三郎藝能史研究奨励賞を受賞し、高い評価を得た。 |