言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1994/10 |
形態種別 | その他論文 |
標題 | 誓いに縛られた者-イェイツの‘The BlackTower’について
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執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『片平』英語英文学論叢 |
巻・号・頁 | (29),133-142頁 |
概要 | A5判
W.B.Yeatsの詩‘The Black Tower’には、「誓いに縛られた者」という言い回しがでてくる。これはどういう意味なのだろうか。自分の王に忠誠を誓い、決して裏切らない騎士の心意気をYeatsは表したかったのか。ちがうと思う。Yeatsが若い頃、アイルランドの神話、民話に新たな息を吹き込んで国民の文学的意識を目覚めさせようとした背景を考えてみても、これはケルト神話に現れる「課されたが最後、絶対逃れられない不思議な禁止」を意味する“geasa”《ギャサ》を意識したものと思われる。「誰にも自分の名前を明かしてはならない」「豚肉を食べてはいけない」「宴会に誘われたら絶対に断れない」といった荒唐無稽ともいえる誓いに縛られ、にっちもさっちもいかなくなる英雄の姿に、詩人として生きることを誓ったがゆえに苦悩する自分自身をYeatsが重ね合わせている様子を辿った。 |
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